>いま社会科学と自然科学を横断して、大きな変化が起こっている。
>聖書に始まり、ルソーやマルクスやレヴィ=ストロースに至るまで
>偉大な思想家が信じてきた「人類は太古には平和で平等だった」
>という神話が否定されつつあるのだ。

>40年前に人類学者が発見し、20年前に考古学者が提唱した
>「国家が戦争を生んだのではなく、その逆だ」という仮説は、
>本書で検証されたといってもいいだろう。この図は見にくい
>(クリックで拡大)が、最上段が先史時代の戦争による死亡率で、
>人口の最大60%にのぼる。
>最下段が現代で、第2次大戦の死者でも世界の人口の2%程度だ。

>このように時代や文化圏によっても大きく違うが、近代以前の
>人類は平均して15〜20%ぐらいが戦争で殺されていたと推定される。
>この比率は成年男子ではもっと高く、半数近くが戦死した社会も珍しくない。
>つまり数百年前まで、人間の最大の死因は殺人であり、われわれは
>史上もっとも平和な時代に生きていると著者は主張する。

>だから人類の最大の問題は戦争を防ぐことだった。
>国家はそのための制度だが、武器だけでは戦争を止められないので
>ウェストファリア条約以後は、休戦ラインとしての国境ができた。
>しかし著者は、戦争を減らした決定的な要因は商取引だという。
>戦争はゼロサム・ゲームだが、取引では双方が利益を得ることができる。
>しかも植民地からの搾取より貿易による利益のほうが大きい――
>これを発見したことが20世紀後半の「長い平和」の原因だという。

スティーブンピンカー著 『暴力の人類史』の書評。
つまり国家などない時代から人類は不平等だったし
殺し合いを続けてきた。むしろ国家はそれを防ぐ制度
として生まれたのだという説。