>>71

つづき

これは層の概念をうまく適用して得られ
たのである.また長い間難渋を極めていた中心問題の
Riemann-Rochの定理の拡張も層の概念を用いて小平
君やSerreによって見通されるに到ったのである.この
ように華々しい進展はあっても,多様体にはなお未解決
の深い問題は多数あって明日を待っている現状である.
層の概念の畠現によって短時日の間にかく理論は躍進
を遂げたが,それには躍進が行われる地盤が既に育まれ
ていたからである.それはPoincareに始まる代数的位
相幾何学であり,そのホモロギー論特にそれに関連し
て得られたdeRhamのコホモロギー論である.また
Hodgeに始まる調和積分論があった.また層には到ら
ないまでも,整数論のイデールに当るcoelementの理
論を樹てて,層係数のコホモロギー理論を示唆(明かに)
しているWeilの業績が,複素直線バンドルの活用とと
もに燦然と光っていることを附記しなければならない.1)
(1)とれらの詳細は勿論,おぼろげながらもここに説明することは不可
能である.これについては岩波現代数学,秋月,井草,中野著調和積
分論(近刊)にいて見られたい.)

つづく