>>446
つづき

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ヒルベルトの第10問題 (『ヒルベルトの23問題』(日本評論社 1997)より)
歴史,背景について.
(抜粋)
■ はじめに

 “n 個の未知数を含む整数係数の多項式 P(x1,x2,..., xn) に対し,
方程式 P(x1,x2,...,xn) = 0(ディオファントス方程式または不定方程式と呼ぶ)が整数解を持つか否かを有限的に判定する方法をみつけよ”
というのがヒルベルトの第10問題である.

原文でもそれ以上の説明はなく,23の問題の中で一番短い設問である.

 ヒルベルトは全体の前書きで,
「道で初めて出会った人にも明確に説明できる」のが良問であると言っているが,
その意味でこれは最良の問題の1つであろう.

また,前書きなどに語られているヒルベルトの数学観
(数学全体を1つの大きな有機体と見,それに関する真理は必ず有限的な手段で把握できるという信念)
を端的に表す出題でもある.

そして,もう一つ重要な点は,
この問題にはその半世紀後に興る計算機科学の萌芽が感じられることである.

第10問題そのものは,1970年に否定的に解決されたが,
その周辺には現在も未解決で,しかも数論や計算機科学の重要問題と関連する話題がたくさんある.

■ フェルマー・ワイルスの定理と第10問題

 フェルマーの予想はようやく最近ワイルスによって正しいことが証明されたが,
しかしこのように解の有無がわかるディオファントス方程式はむしろ例外的である.

一般に3変数以上のディオファントス方程式を解く有力な方法はまったく見つかっておらず,
たとえば, x^3 + y^3 + z^3 - 3 = 0 が (1, 1, 1), (4, 4, -5)とその並び換え以外の整数解を持つかどうかはわかっていない.

つづく