「天皇社会、武家社会、産業社会」(下記)
鎌倉時代から、ときの政権が 天皇の権威を利用してきた
そして それは事実として、いまも ときの政権が 天皇の権威を利用している
しかし、それが長年続いているには、それなりの理由や背景があるのだろう
英国王室など、ヨーロッパに残る王室も、それなりの存在意義がるのだろう
その理由や背景、存在意義を考えていくことは、意味があると思う

(参考)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tja/71/3/71_137/_article/-char/ja/
日本學士院紀要/71 巻 (2017) 3 号
天皇社会、武家社会、産業社会
日本歴史の諸断面の社会学的分析 富永 健一
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tja/71/3/71_137/_pdf/-char/ja
第一節 天皇社会としての大和朝廷

私は、自分の最初の著作である『社会変動の理論』(一九六五)と題する本を、社会学の基礎理論の構造を築くことを目的として書き、これを博士論文として東京大学大学院社会学研究科に提出した。私が自分自身の社会学の基礎理論として考えたことは、「行為理論」、「社会構造理論」、「社会変動理論」の三つの理論を結合することであった

第二節 武家社会の形成

第三節 武家社会の持続としての徳川社会

第四節 産業社会の形成と自由民権の思想

日本はアメリカを主力とする連合国軍によって占領され、連合国の占領政策によって、全面的な非軍事化と民主化の道をとった
このアメリカの採用した占領政策は、日本の保守派政治家たちによってアメリカの「押しつけ」であると言われ続けてきたが、私にいわせれば、これこそが戦後日本にとってまことに幸いな国際政策なのであった
なぜなら自由主義諸国の一員として独立を回復した日本は、それ以後現在まで、戦後憲法によって戦争を放棄し、武力をもたず、交戦権をもたず、決して戦争をしないという、徹底した完全平和国家となることができたのであったからである
日本の政治家だけによって、これだけの徹底した決意が、憲法に見事に書かれ得たとは、私には思われない
敗戦という現実による戦勝国からの「押しつけ」と言われた要素があったからこそ、このような強い表現をもった戦後憲法の条文が実現され得たのではないか

今や男性社員においてさえ、非正規雇用が三二・三%を占めるまでになっている
この巻の第七章小林大祐論文は、非正規雇用が階層帰属意識を低くするのは、
彼らが正社員よりも賃金を安く抑えられているとか、低い職業威信の職に集中するとかの間接的効果によるよりも、企業による生活保障から排除されていることが、自身の期待生涯所得を低下させることで、階層帰属を低めるという直接効果によるものであると論じている
なぜなら、所得や職業威信をコントロールしても、階層帰属意識の低さは変わらないからである
こうして現在の若年層は、階層帰属意識の将来に明るい希望を抱くことがまったくできない
雇用状態が悪いことが、彼らの未来展望をここまで暗いものにしているのである
しかし、日本社会の将来を、そのように暗く描くことは、けっして日本自身のためになることではない
日本の将来が暗いと想定することは、それによってますます日本の将来を暗いものにする
そういう暗さの自己認識を、日本は克服しなければならないのである