梶田くんが、トンボの研究をしたいといえば、それで宜しいんじゃ無いですか?
”「光の自由にしていいよ」。母親から何度も言われた言葉だ。”
”常識外の成長曲線を描く天才の育て方を尋ねると「大人は何もしない方がいい」ときっぱり。「梶田君に私が『教える』なんておこがましい」とさえ言う。ふたりの共同研究は対等に進む。飯高がテーマを指示することは一切なく、梶田が興味を持ったことへ背中を押す。”

トンボの研究も、それで良いと思う
邪魔をしないこと

(参考)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC09C830Z00C21A9000000/
13歳数学者、相棒は79歳教授 才ある子は好きにさせよ
孫正義を超えろ Z世代の天才たち(2)
2021年9月26日 [会員限定記事] 日経

「初等整数論は高校数学の知識があれば研究できるから、僕にとっては取っつきやすいんです」

大好きな数学の話題になると、梶田光は冗舌になった。一見すると普通の中学生の彼は、13歳にして数学者の顔を持つ。常識外の才能を持つ者は天から授かったという意味で「ギフテッド」とも呼ばれるが、本人は「僕は天才じゃない。親が好きなことをさせてくれただけ」という。

小学生で定理発見
「最初にxまでの素数の個数を求める関数を素数計数関数といい、π(x)で表す」――。2019年3月、当時10歳、小学4年生の梶田が書いた研究発表の書き出しだ。同年に参加した研究集会の発表テーマは「スーパー双子素数の個数公式と高橋条件」。その年の瀬には、完全数にまつわる新たな定理を発見した。

「数学は勉強というより、遊びに近いのかな」。赤ん坊の頃から電卓がおもちゃ代わりだった。記号が好きで、標識や音符に目を奪われていたという。世界にちりばめられた記号「数字」に特別な興味を抱くのも自然の流れだった。

自宅の壁に張られた九九の一覧表に関心を示したのが1歳の時で、2歳になる頃には9の段まで暗記した。

「光の自由にしていいよ」。母親から何度も言われた言葉だ。学校でも頭の中は数学ばかりで授業に身が入らない。それでも、母親に怒られた記憶はない。「他の教科も勉強しなさいとか、一度も言われませんでした」。大好きな数学に時間を割くため、小学校への通学を諦めてホームスクーリングを決めた。周囲には不登校状態に否定的な意見もあったはず。それでも、両親はいつも梶田の意志を尊重した。

「教える」なんておこがましい
「我々には何もできません。邪魔をしないことだけです」。学習院大学名誉教授の飯高茂(79)は優しくほほ笑む。代数幾何で世界的に高名な飯高も、梶田の才能に畏敬の念を抱くひとりだ。小学4年生の梶田と出会い、これまでに何本もの共著論文を発表してきた。

常識外の成長曲線を描く天才の育て方を尋ねると「大人は何もしない方がいい」ときっぱり。「梶田君に私が『教える』なんておこがましい」とさえ言う。ふたりの共同研究は対等に進む。飯高がテーマを指示することは一切なく、梶田が興味を持ったことへ背中を押す。