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ITmedia アイティメディア株 20241127 村尾麻悠子
半導体開発「日本は本当に人が足りない」 オフショア活用も視野に 背景に設計の複雑化

背景には、半導体設計がますます高度化、複雑化していることや、海外企業と英語で交渉する必要が増えていることなどがある

クエスト・グローバル・ジャパンの半導体部門でゼネラルマネージャーを務める浜崎博幸氏は、「半導体回路の設計や開発において、日本は本当に必要な人材が足りていないということを痛感している」と語る

その背景にある課題として、浜崎氏は3つを挙げる。まずは、ICに機能を統合することがより複雑になっていること。CPU/GPUのマルチコア、マルチクラスタは当然になっていることに加え、昨今はAI(人工知能)演算を担うNPU(Neural Network Processing Unit)の統合も求められるようになっている。コア間通信や電力対策などの機能が複雑になり、協調動作が難しい

「マイコンにまでNPUを搭載することが当たり前になりつつある。ソフトウェアスタックを積み上げて開発する必要があり、そうなると従来のシミュレーションでは対応できず、エミュレーターが必要になるなど、ツールも変わる。“作るもの”が格段に難しくなった。開発に携わっていると勉強時間を確保しにくくなっている。半導体設計から実装までできるエンジニアは非常に限られている」(浜崎氏)

2つ目の課題は、EDAツールを使いこなすことだ。プロセスの進化に伴い、ツールやサインオフ条件などは複雑化している。これらのツールを使いこなすことが必要だが、そのためにはEDAベンダー本社との密なコミュニケーションが欠かせない。日本法人に問い合わせても、結局は本社への問い合わせが必要になるケースも多いからだ。だが、日本のエンジニアは、グローバルでのやりとりにはどうしても弱くなると浜崎氏は述べる。「EDAベンダーやIP(Intellectual Property)ベンダーとやりとりしようとすると、インド人と仕事をする必要が出てくる、といった構造になることが多い。(設計に関わる)専門知識に加えて、英語力、交渉力が必要になる」(同氏)

3つ目の課題はチップサイズの増大化だ。EDAツールで扱えるチップの規模には上限がある。そのため、合成、DFT(Design for Testability)、レイアウトといった階層ごとにエンジニアをアサインしなくてはならなくなっている。特に、開発期間が短い場合、大量のエンジニアが必要になるが、合成からレイアウトまでのスキルを持ったエンジニアは大幅に不足していると、浜崎氏は述べる

同社の推計によれば、日系半導体企業では約3万人のエンジニアが不足しているという。とりわけ確保が難しいのが、アーキテクチャ設計やIPなどの新規技術導入に携わることができる高度人材だ。物理設計やハード/ソフトの検証を行うコアなエンジニアも不足している

ハイスキル人材で国内外からサポート
こうした課題に対し、Quest Globalはローカル・グローバルモデルを活用し、エンド・ツー・エンドでサポートする。主に北米、欧州、アジアで採用したハイスキル人材を活用し、顧客の戦略やニーズに合わせたアウトソーシングサービスを提供する。サービスの形式も、人材派遣、請負、共同開発プロジェクトなどがある