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<インタビュー>「アルファ碁ショックの主人公」李世ドル氏の告白「神の一手、78手でなく68手…小細工だった」(1)
中央日報/中央日報日本語版 20250822

先に訪れた未来。
小説家チャン・カンミョン氏が2016年のアルファ碁対局の後に囲碁界で生じたことを記録した本のタイトルだ。チャン氏はアルファ碁が囲碁界に及ぼした余波を実証するためにプロ棋士29人と囲碁専門家6人にインタビューをした。チャン氏は5000年間続いてきた哲学と価値が一日で崩れた後の囲碁界の風景を「先に訪れた未来」と命名した。しかしチャン氏の作業には限界があった。大激変の始まりを象徴するような人物の肉声がなかった。「人工知能を破った唯一の人類」李世ドル(イ・セドル)氏が間接引用だけで登場した

李世ドル氏は2016年3月9−15日、グーグルのディープマインドが製作した人工知能プログラム「アルファ碁」と5回の対局をした。最強棋士と人工知能の対決で人工知能は4勝1敗と、人間代表をねじ伏せた。人間界の第1人者が人工知能に敗れる最初の対局だったが、人間の大半は1勝をつかんだ李世ドル氏が自尊心を守ったと歓呼

アルファ碁との対局から3年後、棋士・李世ドル氏は引退した。世紀の対決に関する公式記録も残さなかった。インタビューには何度か応じたが、文字化した復碁はなかった。9年間眠っていた復碁がついに登場した。新刊『李世ドル、人生の読み』(ウンジン知識ハウス)でだ。著書で李世ドル氏は初めて対局当時の複雑な心境を打ち明け、間違って伝えられていた部分を正した。出版の直後、李世ドル氏に会った。向かい合って座ると、李世ドル氏は先に経験した未来について語った。

−−著書で囲碁を「抽象戦略ゲーム」と定義した。どういう意味なのか
「囲碁は他のゲームと最も異なる点がある。他のゲームは器物が置かれているが、碁盤には何もない。抽象の状態から始まる。それで場合の数が無尽蔵だ。その抽象の空間で戦略を立てて相手と競う。囲碁の人気が落ちる理由は難しいからだ。習うのにあまりにも長い時間がかかる。囲碁は人類が作った最も偉大なゲームだ」

−−勝つ方法を探せなかったということか
「あまり知られていない事実がある。アルファ碁は5回の対局ですべて大小のエラーがあった。そのエラーを正確に攻めることができず敗れた。第4局だけが違う流れだった」

−−本の内容で最も驚いたのが第4局の復碁だ。世間では李世ドル氏の78手を「神の一手」と呼ぶ。グーグルも78手が出てくる確率を0.007%と計算した。ところが68手を勝着としていた
「3回敗れたことでアルファ碁の弱点を把握した。序盤は最初から相手にならず、終盤も計算の領域なので不利であることを知った。第4局では中盤に入る時に予想外の手を打ってエラーを誘おうとした。それが68手だ。人間との対局ならば打ってはいけない手だった。その後続の手段として78手が出て、結局、致命的なバグが発生した。68手から78手までは小細工だった」

−−第5局で敗れたのを最も悔やんでいたが
「第4局で小細工で勝ったことが引っかかっていた。それでまた正面勝負で臨んで負けた。第5局でもバグがあった。あまりにも早くにバグが出てきて流れを完全には掌握することができなかった」