>>173のつづき
(引用始)
ただし注意すべき点として、今示した構成法は実数の完備性を明示的に用いているので、
有理数の集合 ℚ の完備化については少し異なる扱いが必要になる。
実数全体の成す集合を、有理数全体の成す集合の通常の絶対値で測った距離に関する完備化として得る、
カントールによる実数の構成法は、上記の構成法と同様だが、
実数の構成において実数自身の完備性を用いることは論理的に許されない
という問題に慎重に取り組まねばならない。
そうは言っても、上記と同じくコーシー列の同値類を定義して、
その同値類全体の成す集合が有理数の全体を部分体として含む体を成すこと
を示すのは容易である。
この新しい体は完備であり、自然な全順序を備え、同型を除いて唯一の完備全順序体となる。
こうして実数全体の成す体が「定義」される。
(引用終)