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こちらが社説(読売新聞)
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ナフサ供給問題 企業や家計の不安を直視せよ
2026/05/22 読売新聞
イラン情勢の混迷が長引き、生活に必須な製品の原料となるナフサ(粗製ガソリン)の不足を訴える声が絶えない。
それにもかかわらず、政府は、供給上の問題はない、と繰り返している。これでは国民や企業の不安は収まるまい。実情を踏まえた対策をきめ細かく講じていかねばならない。
原油から様々な製品が作られる過程は複雑で多岐にわたる。まず原油を精製し、ガソリンや軽油、ナフサなどが作られる。
ナフサを分解するとエチレンなどの基礎製品が生まれ、さらにプラスチックや塗料、合成ゴムなどの原料に加工されていく。原料を基に包装材やインク、衣類、洗剤などの商品ができる仕組みだ。
ナフサは現在、国内で精製している分が約4割で、中東から製品化されたナフサとして輸入している分が4割強に上る。
ホルムズ海峡の封鎖で原油もナフサも中東からの供給が滞っているため、現在は米国やペルーなどからの輸入を増やしている。
これにより、ナフサ由来の化学製品は年を越えて確保できる、というのが政府の見解だ。不足感が生じているのは、企業が将来の不足に備えて普段より多めの発注をしているのが原因としている。
だが、中東情勢の先行きが見えない中で、企業が在庫を手厚く持ち、将来の不足にも備えたいというのは自然な対応だろう。
カルビーが「ポテトチップス」などの包装を25日以降、カラー印刷から白黒刷りに変更すると発表したのは、危機対応の象徴だ。
原油だけでなくナフサも十分に確保されていると言うなら、その実態を具体的に説明することが必要になる。政府の見解が国民の生活実感とかけ離れれば、かえって不安を招き、買い占めや買いだめが起きかねない。
政府が複雑な流通網の分析を深め、企業の不安に寄り添った情報を発信していくことが大切だ。医療など命にかかわる分野への優先供給なども課題になる。企業情報を多く持つ金融機関は、不足する製品の融通を支援してほしい。
政府は景気への配慮に傾く中で、ナフサが足りていると強調し、ガソリンなどの節約要請についても慎重な姿勢を続けてきた。
だが、ガソリンなどの節約が必要だとの認識を広げれば、危機対応の重要性への理解が深まり、ナフサの代替策を探る動きも本格化しよう。政府は、エネルギーの節約に向けて、段階的に節約を要請する手法を検討すべきだ。
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