日経 Deep Insight『日米同盟、老いとの戦い 中国台頭がさらす安保体制の弱点』
良く書けている
”日本からみれば、軍事上、台湾海峡が最大の火種といえる。中国の台湾侵攻を抑止するため、米政権が台湾海峡への関与をより強く示すことを望む。トランプ米大統領は国益上、どこまで台湾防衛を優先課題と考えているのか定かではない”
(ワシントンの空気)”「中台紛争に介入すれば、米海空軍も深刻な打撃を被り、甚大な死傷者が出るだろう。中国軍が強大になる中、それでも介入すべきか、政権内外で議論が続いている」”

これが、いまの日米同盟の現実

(参考)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD132AA0T10C26A8000000/
日米同盟、老いとの戦い 中国台頭がさらす安保体制の弱点
Deep Insight 本社コメンテーター 秋田浩之
2026年8月17日 [会員限定記事]日経

日米同盟にとって最大の敵は、内なる老いだ。筋力の低下、認知力の鈍り、気力の衰え。75歳を過ぎれば、健康を保つ努力がさらに必要になる。

防衛産業が弱まり、脅威認識にもズレ
まず表れるのは筋力だ。米軍は依然として世界最強だが、その土台となる防衛産業の足腰が弱まっている。
89年に米ソ冷戦が終わって以来、米国は防衛産業の能力を削ってしまった。米海軍情報局によれば、商船を含む造船能力で米国は中国に200倍超の差をつけられた。潜水艦や空母、フリゲート艦の製造も軒並み遅れ、米軍首脳は危機感を募らせている。

ミサイルの生産力不足も深刻だ。イランとの軍事衝突などにより、米軍は防空ミサイル「パトリオット」の在庫の約3分の2を使い果たしたとの分析がある。補充には数年かかる見通しだ。

日本も筋力の低下にあえぐ。防衛予算は2022年度から急増している。だが、かつて100社超が撤退した防衛産業の足腰はなおもろいままだ。

今も日米は中国が最大の戦略課題という総論では一致している。しかし、総合国力で中国が米国の背中を追うにつれ、日米が同じ景色を見ることは、米ソ冷戦期よりも難しくなった。

日本からみれば、軍事上、台湾海峡が最大の火種といえる。中国の台湾侵攻を抑止するため、米政権が台湾海峡への関与をより強く示すことを望む。

トランプ米大統領は国益上、どこまで台湾防衛を優先課題と考えているのか定かではない。レアアース(希土類)を中国に深く依存するため、中国側に強硬に出づらい事情もある。

中国が軍拡を進めるにつれ、軍事的なジレンマも深まる。米共和党系の元米国防総省高官はワシントンの空気を明かす。「中台紛争に介入すれば、米海空軍も深刻な打撃を被り、甚大な死傷者が出るだろう。中国軍が強大になる中、それでも介入すべきか、政権内外で議論が続いている」