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6. さらに厄介なのは「同一視すると不等式が弱くなる」こと

ここがショルツェ側の批判のかなり強烈な部分です。

彼らの分析では、問題の箇所をある意味で自然に簡略化すると、
望月氏が9ページかけて導こうとしている不等式が、
A≤A
のようなほとんど自明な不等式にまで縮んでしまいます。

つまり、
「証明したかったのは A≤B という意味のある不等式なのに、
AとBを同一視する操作を許すと、結局 A≤A を証明しただけになってしまう」
というイメージです。

この点はショルツェ=スティックスの批判を理解する上で非常に重要です。

彼らは「計算ミスを1個見つけた」と言っているのではありません。

「証明のエンジンだと思われていた部分が、
必要な情報を消してしまう操作をした結果、
何も強いことを言っていない」

という批判なのです。