”ICC赤根智子所長に米制裁”に何も言えない高市
だったら、台湾有事こそ 黙っとけ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19AS90Z10C26A8000000/
ICC赤根智子所長に米制裁、各国が「強い危機感」 日本に弱腰批判も
2026年8月20日 日経[会員限定記事]

トランプ米政権が18日に国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)の赤根智子所長らを制裁対象に指定したことを受け、欧州各国や国連などから同政権への批判とICCを支持する声が相次いだ。日本の高市早苗首相も19日に「大変残念に思っている」と述べたが、自国民が制裁対象になったにもかかわらず弱腰との声も上がった。

「ICCと赤根智子所長、その使命を支える職員を断固支持する」。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は19日、X(旧ツイッター)でICCとの連帯を表明した。ICCが「世界で最も残虐な犯罪の被害者に正義をもたらす手助けをしている」としたうえで、そのためには「外部からの圧力を受けずに独立して行動できなければならない」と強調した。

ICCが本部を置くオランダのベーレンドセン外相もXで、米国の制裁を「認めない」と明言したうえで「国際裁判所・法廷は自由に任務を遂行できなければならない」とした。現地報道によると、スペイン外務省も米国による制裁を「ICCの独立性、公正性、公平性に対する露骨な攻撃だ」とする声明を発表した。

国連や人権団体も相次いでICCへの連帯を表明した。国連のグテレス事務総長は政策に対して「深刻な懸念」を示した。ドゥジャリク事務総長報道官が19日に明らかにした。

日本は国際社会の「法の支配」を支えるICCを支持する立場だ。一方で、日米同盟にも目配りせざるを得ず、米政権への表立った批判は避けている。

日本の外務省の談話について、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルのカラマード事務局長は「自国民であるICC所長に制裁が科されたのにかなり弱腰だ」と指摘した。オランダのオープン大学のヴァシリエフ国際法教授も「日本が彼女を擁護しなければ、誰がするのだろうか」と批判した。

国連ではサタースウェイト特別報告者(裁判官や弁護士の独立性担当)も「強い危機感を感じている」とXで投稿した。制裁は職務上の活動に対する「報復」と位置づけたうえで、「独立した裁判官や弁護士に対する制裁は公正な裁判と司法へのアクセスを保障する人権の侵害にもなる」と批判した。