今年はRiemannの生誕200年にあたるので、彼の学位論文(1851)を話の糸口にしよう。この論文で、孤立特異点の除去可能性について有界正則関数の場合にはじめて論じられた。この意味で、関数論的零集合の最初の例は孤立点である。同じ論文で$\mathbb{C}$の一点コンパクト化であるRiemann球面$\hat{\mathbb{C}}$や、$\hat{\mathbb{C}}$上に何重にも重なった面としてのRiemann面が導入されたが、それは複素一変数の代数関数の線積分の理論を、AbelやJacobiらによる楕円関数論の自然な一般化として確立するための基礎理論の文脈においてであった。Hurwitzは$\mathbb{C}^n\setminus\{(0,0,...,0)\}$が$n\geq2$ならば正則領域ではないことをLaurent級数を用いて示し、正則関数が多変数の場合には孤立特異点を持ちえないことを指摘した(ICM 1897)。これはより一般の接続原理を示したHartogsの正則領域の研究(1906)へとつながった。