つづき

4. 小平は、自身が証明した「小平の消滅定理」を駆使して、十分大きな (M) を選べば、これらの切断(セクション)が多様体 (M) の点を区別し、接ベクトルも潰さない(=完全に滑らかに埋め込める)ことを証明しました。

まとめ:なぜ「一般化」と言えるのか?
(表ですが コピーで崩れた)
要素 アーベル多様体(古典的) 小平の埋め込み(一般化)
対象の空間 複素トーラス \(\mathbb{C}^g / \Lambda\)(平坦な空間) 一般のコンパクト複素多様体 (M)(湾曲した空間)
埋め込みに使う「関数」 テータ関数 (準周期関数) ラインバンドルの正則切断(セクション)
埋め込みの条件 リーマンの周期関係式(行列の条件) ホッジ計量(正の曲率を持つケーラー形式)の存在
写像のメカニズム 関数の比をとって射影空間の座標にする


つまり、「テータ関数という具体的な関数を、ラインバンドルの切断という幾何学的な概念に置き換え、トーラス特有の性質に依存せずに『正の曲率』さえあればどんな複素多様体でも射影空間に埋め込める」ということを示したため、小平の埋め込み定理はテータ関数による埋め込みの究極の一般化と呼ばれているのです。

もしこの解説の中で、さらに詳しく知りたい部分(例えば「ラインバンドルの切断」の具体的なイメージや、「小平の消滅定理」がなぜここで必要なのかなど)があれば、どのあたりを深掘りしたいか教えてください!

(参考)
曲面の分類に関する小平理論
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/activity/lecture14-miyaoka.pdf
宮岡洋一 2014/11/18 — 有名な広中の特異点解消定理は,前前節で見た2次変換や. 空間曲線への変換を一般化した概念である爆発 blowing up という操作を適. 切に繰り返すこと ...
28 ページ
P13
3 層とそのコホモロジー
代数曲線のリーマン・ロッホ定理は,零点や極に条件をつけた大域的な有理関数の言葉で記述できた。しかし2次元以上の話になると,曲線のようなわけにはいかなくなって,厳密な数学を展開するためには,層の概念が必要になる。層の概念の原型は岡潔の多変数関数論にすでに現れるが,以下に述べるような使いやすい形で述べたのはである。古典的なイタリア学派は代数曲面論を展開して深い結果を多数得たが,層とそのコホモロジー理論がまだ使えなかったため,議論が非常にわかりにくいものになっている。
以下では層とそのコホモロジーについて,簡単に説明する。
3.1. 層の定義
略

https://note.com/complex_manifold/n/ne2b414ff63e0
28 小平の埋め込み定理と複素幾何学|下部 博一
note · 下部 博一
10 件以上の高評価 · 1 年前
複素幾何学において、小平の埋め込み定理は、コンパクト複素多様体が、いつ射影代数多様体になるのか特徴づけを与える、極めて重要な定理である。
含まれない: テータ ‎アーベル
(引用終り)
以上