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なぜ「教える側」になりたがるのか

一番大きいのは、たぶん知識そのものより、知識がもたらす社会的な位置です。

「私はこれを知っている」
だけなら、ただの知識です。

ところが、
「私はこれを知っている。あなたは知らない。だから私はあなたより上だ」
となった瞬間、知識が序列を作る道具になります。

これは別に数学オタクに限った話ではなくて、
「そんなことも知らないの?」
「普通は○○するでしょ」
「それ、○○ですよ」
「教えてあげる」
「あなたは本質を分かってない」
みたいな言い回しは、日常生活にも大量にあります。

面白いのは、知識が少なくても「教える人」にはなれることです。

本当に深く理解するには、
「分からない」
「ここは自信がない」
「それは知らなかった」
「ちょっと調べてみます」
と言わなければならない。

ところが「教える人」というポジションを取りたいだけなら、そこまで必要ない。

誰かから聞いた知識を覚えて、もっともらしく再生すればいい。

だから「聞きかじりなのに得々として語る」という、一見すると不思議な現象が起こります。

(つづく)