このような意味での測定者の自由意志は 、ミクロの現象
や量子力学での考察のみならず 、物理学全体の前提であ
って 、これなくしてはほとんどの科学的な議論が成立し
ない類のものである 。元来 、時間的 ・空間的に多様な条
件の下で 、対象とする系がどのように変化し発展するか
を取り扱うのが物理学であり 、その多様な条件が実現で
きる最大の根拠が 、我々自身 (測定者 )の自由意志にある
からである 。物理学が成立する上で 、内部では因果律に
従う決定論が前提とされ 、外部では非決定論的な自由意
志が前提とされているというのも 、皮肉な状況だと言え
よう 。