1972年、デンマークのAlborg病院のH.O.Bangと J.Dyerberg et alは、イヌイットから採血し、その血中脂質をデンマーク人の 316名の血中脂質と比較した。

【対象】北緯 71°に位置する約1000人のイヌイットが暮らすグリーンランド西海岸の小島、UmamaK住人。
(狩猟や漁業を営んでおり、アザラシや海鳥、鯨、カレイやサケを常食し、イモ類と野菜はほぼ摂取しない)



【結果】全年齢層で、デンマーク人と比較し、イヌイットの方が血中脂質が低かった。同様に、血中コレステロールや血中トリグリセリドも、デンマーク人と比較し、各年齢層でイヌイットの方が定値だった。
イヌイットとデンマーク人の疾患の罹患率では、デンマーク人と比較し、急性心筋梗塞、多発性硬化症、乾せん、糖尿病による罹患率がイヌイットは低率であった。



イヌイットとデンマーク人の罹患率の比較


疾患名



急性心筋梗塞
イヌイット3 (%) デンマーク人40 (%)
脳卒中
イヌイット25   デンマーク人15
多発性硬化症
イヌイット0    デンマーク人2
乾せん
イヌイット2    デンマーク人40
肺炎
イヌイット1 デンマーク人25
糖尿病
イヌイット1 デンマーク人9
がん
イヌイット46 デンマーク人53
消化器系潰瘍
イヌイット19 デンマーク人29
( Acta Med. Scand. Vol. 192, pp. 85〜94、1972 及びActa Med Scand. Vol. 208 ,pp.401〜406、1980)。

つまり「肉食習慣のイヌイットは西欧型食習慣のデンマーク人よりも血中脂質レベルが低く、冠動脈心疾患などの循環器系疾患にかかりづらい」という驚くべき事実が判明したのです。