(考察抜粋)
 本研究では,一般に減量とともに低下してしまうエネルギー消費は,カロリーが同等であっても栄養バランスによってその低下の度合いが異なり,リバウンド(体重の再増加)の可能性も異なってくることを示している。
つまり,「カロリーが同一ならば,効果も同一」という一般的な概念が(少なくとも部分的には)成立しないことを証明している。

 本研究に対するeditorialでG. A. Bray氏は,自分たちの研究(JAMA 2012; 307: 47-55)において,蛋白質摂取が摂取エネルギーと独立した効果を示すことが証明されているので,
今回の「カロリーが同一でも,効果も同一というわけではない」という結果は驚くに当たらない旨を記載している。しかし,私としては,このような概念は 何年も前から提唱されているのに一般化しているとは思えず(Am J Clin Nutr 2008; 87: 1558S-1561S),
JAMAレベルの論文で今年になって繰り返して示されたことに衝撃を覚えている。

 また,低脂質食と低GI食の蛋白質摂取量に差異はほぼないので,蛋白質摂取が多いほどエネルギー消費が高まりやすいことの他に,
エネルギー消費に影響を与える要素が存在することが予想される。すなわち★★糖質摂取が高いほどエネルギー消費が低下するという可能性★★である。
実際,P値(trend)での有意差の存在は,糖質負荷が軽ければ軽いほどエネルギー消費が高まりやすく,インスリン抵抗性も改善し,トリグリセライド(TG)やHDLコレステロール(HDL-C)も良好に経過しやすくなることを示唆している。