佐竹一郎「現代数学の源流(上)」p.42-47 にはコーシーの定理(ストークスの定理)の説明があります。
そこでは「ド・ラームのコホモロジーの記号を使えばH^1(D, R)=0 と表される」と陽に説明しています。
この記述は、コホモロジーを微分形式のレベルに戻してディリクレの原理を証明している小平の複素解析に対応していて、佐竹は高い抽象度でより一般性をもって証明していることになるんです。
複素多様体論では変形理論でもっと詳しく説明してくれます。

もともとガウスが研究して、ディリクレが授業で紹介したらしいのですが、もともとのガウスの研究分野はポテンシャル論で、ある関数(調和関数)の存在を変分法で導けるというものだったようです。
リーマンは、ディリクレの授業を聴いて、「ディリクレの原理」を関数論のリーマン・ロッホの定理に応用できると気がついたそうです。ところが、リーマンが論文を発表すると、ワイエルシュトラスに証明の穴を指摘されてしまいます。
この穴を埋めたのがヒルベルトで、さらにH.ワイルがルベーグ積分を使った直行射影の方法(ワイルの補題)に改良しました。
小平の証明は、H.ワイルのルベーグ積分の超越的な部分をきらって、泥臭く微分形式で証明しているわけです。