そういう誤解がうまれたのは
岡潔のアイディアがあまりにも独創的だったからだが
多変数関数論の展開を短くまとめると
凸性の概念の関数論的な意味が理解されていく過程に
数学の理論としての進展が見られる。
最初はかなり漠然とした形でHartogsが導入した擬凸性が
Leviによって微分幾何的に表現され
Cartan-Thulleの正則凸性が現れるに及んで
岡の活躍の舞台が整った。
岡は正則凸性を利用して上空移行原理により
Cousinの問題とRunge型近似問題を解決し
多重劣調和関数を導入してLeviの条件から
大域的な正則関数の存在が従うことを示し
特にC^n上の任意の正則領域が正則凸であるという
決定的な結果に到達した。
1960年代になるとPDEの方法により
岡の構成法がより精密に実行可能になり
Bergman核の漸近挙動の解析がH\"ormanderらによって・・・
以下略