つづき

2. 線形リー群とディンキン図形
はじめに、E8とはどんな群なのか説明しましょう。
E8は、単純な線形リー群の分類の中で、例外群と呼ばれるもののうちで最大のものです。
ちょっと長くなりますのであらすじだけをはじめに言うと、
「リー群」(すぐ説明します)の無限小変換形に相当する「リー代数」が表1のような図形で分類できて、その特別な場合がE8です。
その図形から無限小変換形を構成できて、それをexpの肩に乗せたのがE8群になります。
リー群とは、大ざっぱに言って群自体が滑らかな多様体になっているもの、つまりその群の要素が連続的ないくつかのパラメータを持っていて、それらが局所的に座標と見なせるようになっているようなもののことです。
そして、線形リー群とは、単に行列式が0でない行列の群GL(N,C)(=N次一般線形群)の部分群のことを言います。
行列式が1のN次ユニタリ行列の群であるSU(N)や、
行列式が1ですべての要素が実数のN×N行列の群SL(N,R)、
あるいは実直交行列の群であるSO(N) などがその例です。
「単純」というのは群で言えば正規部分群がないということで、

//cat.phys.s.u-tokyo.ac.jp/
上田 正仁 研究室
東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻
//cat.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lecture/MP3_16/MP3_16.html
2016年度 物理数学�V
講義ノート
//cat.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lecture/MP3_16/maph3.pdf
物理数学III講義ノート上田正仁
平成28 年10 月25
はじめに本講義の目的は、物理学に現れる対称性とトポロジーを理解する第一歩として、また、特殊および一般相対性理論を理解するための数学的準備として、群論、リー代数、リー群、微分幾何の基礎を教授することである。数学的な観点からこの問題を眺めることによって、自然を記述する物理学の理論が有する美しい数学的構造に対する理解が深まることを期待している。物理学が自然現象を記述する普遍的な学問であるゆえんは、見方(座標)によらない自然現象の記述が可能だからである。そして、見方によらない程度は、どのような群に属する変換に対して基礎方程式が不変(すなわち、変換によって方程式の形が不変)であるかということによって特徴づけられる。リー代数の言葉でいえば、見方とは特定の基底に基づく「表現」であり、見方によらない不変な性質がリー代数やリー群の対称性(代数的構造)によって特徴づけられる。トポロジカルな性質はこの対称性やそれに由来する不変量のみに依拠しているために、対称性を破らない摂動の影響を受けないのである1。
目次
第2章 表現論
2.6表現の直交性
2.7指標
2.8ヤング図
第5章 ルートとウエイト
5.3ルート空間
5.4ディンキン図
(引用終り)
以上