一般に、可換体$A$の部分集合$B$が$A$の四則に関して
可換体をなしているとき、$B$は$A$の
\textbf{部分体}であると言い、$A$は$B$の
\textbf{拡大体}であると言います。
$A$の任意の元$a$に対して$B$の元を係数とする
0でない多項式$F(X)$で$F(a)=0$を満たすものが
存在するとき、$A$は$B$の\textbf{代数拡大}である
と言い、そうでない時は\textbf{超越拡大}であると
言います。$\mathbb{C}(z)$は$\mathbb{C}$の
超越拡大です。$\mathbb{C}$の超越拡大の例
としては、不定元$X$の有理式の集合
$\mathbb{C}(X)$もそうですし、
$\mathbb{C}(z^2)$や$\mathbb{C}(e^z)$なども
そうですが、これらの体としての代数的構造は
皆同じです。その一方で、
$n$個の不定元$X_1,X_2,\dots, X_n$の
$\mathbb{C}$係数の有理式の集合
$\mathbb{C}(X_1,X_2,\dots,X_n)$は
$n$が違えば違う体です。
例えば$\mathbb{C}(X_1,X_2)$は
$\mathbb{C}(X_1)$という$\mathbb{C}$の
超越拡大の$\mathbb{C}(X_1)(X_2)$という
超越拡大になっています。$\mathbb{C}$の超越拡大
$A$が$\mathbb{C}$の超越拡大の超越拡大を部分体
として含まないとき、$A$は$\mathbb{C}$の
超越次数1の拡大体であると言います。
リューロー( L\"uroth, 1844-1910. ドイツの数学者)は
次を示しました。
\begin{theorem}可換体$A$が$\mathbb{C}$の超越次数1の拡大体であり、かつ$\mathbb{C}(X_1,X_2,\dots,X_n)$の部分体であれば、$\mathbb{C}(X_1,X_2,\dots,X_n)$の適当な元$f$に対して$$\hspace{-3cm}A=\mathbb{C}(f):=$$$$\left\{\frac{F(f)}{G(f)}; F(X), G(X)\in\mathbb{C}[X], G(X)\neq0\right\}$$となる。\end{theorem}