可解群の構造との整合性:
可解群の正規系列 G0⊵G1⊵⋯⊵Gm={e} に沿って拡大を構成する際、
各ステップで必要な原始乗根の添加は、
前のステップで得られた体 Ki の元に基づいて行われます。

ζ_ni の添加は、拡大 Ki(ζ_ni)/Ki を構成し、
そのガロア群が可解(実際にはアーベル)であることを保証します。
これにより、次のステップ(クンマー拡大)の準備が整います。

循環論法の回避:
循環論法とは、結論を仮定して証明を進める場合です。
ここでは、ζ_ni を添加することは、Ki に含まれる 1 を用いて
x^ni−1=0 の解を導入する操作であり、
ζ_ni 自身を仮定しているわけではありません。

証明全体の目的は、L の元(方程式の解)を K の元と四則演算・べき根で表現することです。
ζ_ni の添加は、このプロセスの中間ステップであり、Ki の元に基づく方程式の解として正当化されます。

具体例で確認
例えば、K=Q、ni=3 の場合:
Q に原始 3 乗根 ζ_3(ζ_3^3=1,ζ3≠1)が含まれていない。

Q(ζ_3) は x^3−1=0 の分裂体であり、
Φ3(x)=x2+x+1=0 の根を添加することで得られる。

これは、a=1∈Q を用いた x^3−1=0 の解の添加であり、べき根の添加として正当です。

ガロア群 Gal(Q(ζ3)/Q)≅Z/2Z は巡回群であり、可解群の構造に適合します。

このプロセスは、ζ_3 を「仮定」するのではなく、Q の元 1 に基づく方程式の解を導入するものです。