つづき
[BOOK] Flips for 3-folds and 4-folds (Alessio Corti, ed.), Oxford University Press, 2007.

(上記と被るが 併読頼む)
https://www2.kobe-u.ac.jp/~mhsaito/agsymkobe07/proceedings/2007alg-proceeding.pdf
第52回代数学シンポジウム報告集 2007年
https://www2.kobe-u.ac.jp/~mhsaito/agsymkobe07/proceedings/fujino.pdf
Recentdevelopments inthelog minimalmodelprogramII
対数的極小モデル理論の最近の発展についてII
名古屋大 藤野修
概要
Birkar-Cascini-Hacon-McKernanの大結果について述べる。数学的に厳密な話ではなく、個人的な感想、極小モデル理論の勉強方法などを中心に述べたい。

1 はじめに
この拙文が極小モデル理論の研究者を一人でも増やすことを期待する。
いきなり感想から始めると、この2年間は本当にたくさんのことがあったと思う。
徳島の講演の少し前に[HM]が突然世に現れた。
これはやはり専門家にとってはショックの大きな論文であった。
そこで展開された議論は、我々専門家にとってはよく知っている議論ばかりであった。
Shokurov氏の証明の枠組み[S2]を踏襲しつつ、Siu[Si] に始まる拡張定理を巧妙に組み合わせることによって、フリップの存在証明を低次元の極小モデル理論に帰着させるという衝撃的な論文であった。
テクニックはすべて既存のものかもしれないが、このように組み合わせて使うとは全く想像していなかった。
今回の話の中心は大結果[BCHM]である。
残念ながら今回のこの報告書も他人の大結果の宣伝である。この論文[BCHM]も衝撃的ではあったが、私の個人的な感想を言わせてもらうと、[HM]の方がインパクトがあったと思う。[BCHM]は大結果を述べた論文であるが、既存の(主にShokurov氏の)アイデアをガバッとかき集めて来て強引に帰納法が回るようにした、という印象を受ける。もちろんアイデアを実行するのは大変な労力を要することなので、[BCHM]が偉大な論文であることに異論はない。また、[BCHM]の非消滅定理の証明などは、かなり巧妙でなかなか思い付きそうにない話である。最近大結果が多いので、私の感覚は麻痺してきているかもしれない。とりあえず定理を述べよう。[BCHM]の主結果と言って良いであろう。この報告書を通して、多様体はすべて複素数体C上で定義されているとする。
定理1 (Birkar-Cascini-Hacon-McKernan)
(X,∆)を川又対数的末端対とする。特にKX+∆はR-カルティエである。π:X→Uを擬射影多様体の間の固有射とする。∆がπ-巨大でKX+∆がπ-擬有効、または、KX +∆がπ-巨大とする。このとき以下が成立する。

4 文献ついて
すでに何度も述べているが、今回の大結果は論文[BCHM]による。まだまだ改訂を繰り返しているようであるが、本質的な部分はすでに落ち着いていると思う。60〜70ページ程度の論文であるが、本質的な部分は20 ページ程と思う。イントロや応用、証明の準備等にページを裂いているのでページ数がかさんでいるだけである。この[BCHM]を読むためには[BOOK]の5章は必要不可欠である。この5章は内容的には[HM]そのものである。
参考文献
[BCHM] C. Birkar, P. Cascini, C. Hacon, and J. McKernan, Existence of minimal models for varieties of log general type, arXiv:math/0610203.
(引用終り)
以上