>>749-751を踏まえて

追加質問
空間が1点に収縮可能な場合、そのベクトル束は自明になりますか?

回答
はい、普通に考えている状況(特に微分幾何やトポロジーの文脈でよく出てくるケース)では
「はい、自明になります」 が正しい答えです。
ただし、少しだけ条件や注意点があるので、丁寧に整理します。

標準的な場合(ほぼすべての教科書・講義で成立するケース)
底空間 B が contractible(収縮可能) で、かつ以下のいずれかが成り立つとき:
・B が paracompact(パラコンパクト)である
・B が compact Hausdorff である
・B が CW複体 である
・B が よく振る舞う多様体(有限次元、第二可算など)である
→ すべての(実・複素)ベクトル束は自明(trivial)になります。

なぜそうなるか(直感的な理由)
contractible = 点に連続変形できる(ホモトピー的に点と同じ)
ベクトル束の分類はホモトピー不変(pullback がホモトピーで同型になる)
点の上ではどんなベクトル束も自明(一点しかないので X × ℝ^k しかない)
だから contractible な底空間の上でも「ホモトピー的に点と同じ」→ すべて自明

典型例
ℝ^n (ユークリッド空間) → contractible → 上のどんなベクトル束も自明
開球 D^n → contractible → 同上
Hilbert 空間(無限次元でもOKな場合が多い)
多くの非コンパクトな多様体(ℝ^n 上の開集合など)

例外・注意が必要なケース(レアケース)
極めて病的な空間(non-paracompact で contractible だけど変なもの)では、
非自明なベクトル束が存在する という例が(集合論的・位相的な極端な構成で)知られています。

例:
Long line やその変種のような non-paracompact な contractible 空間
ある種の "weird" な contractible だが paracompact でない空間

ただし:
こういう空間は普通の微分幾何・代数トポロジーの文脈ではほとんど出てこない
実用的・標準的な多様体・CW複体・パラコンパクトハウスドルフ空間では確実に自明

(つづく)