3. 最大になったときに「全射(単位円板全体に写る)」になる理由
ここが核心です。「もし最大値をとる関数 \(f_{0}\) の像 \(f_0(D)\) が、単位円板 \(\mathbb{D}\) 全体を覆っていなかったら(穴があったら)」と仮定します。
1. 像に穴(カバーされていない点 \(\alpha \in \mathbb{D}\))があると、領域の単連結性を利用して、その穴を避けるような「平方根」の正則な枝をとる写像を合成できます。
2. さらに、それを一次分数変換(シュワルツの補題の変形)で原点 \(0\) を原点 \(0\) に戻すように調整します。
3. この一連の合成操作を行うと、シュワルツの補題(またはそのバリエーション)の効果により、元の関数 \(f_{0}\) よりもさらに点 \(z_{0}\) での微分の絶対値が大きい新しい関数 \(f_1 \in \mathcal{F}\) が作れてしまうことが証明できます。
これは「\(f_{0}\) が微分の絶対値を最大にする関数である」という前提に矛盾します。
したがって、微分の絶対値が最大になる事項(関数)は、単位円板に「穴」を残すことができず、必ず全体をぴったり覆う(全射になる)、すなわち目的の等角写像(リーマン写像)になるのです