K3保型関数を始めた頃
1977年夏の,多変数関数論シンポジウムが中部イタリアの山上都市
コルトーナで開催され,
当時ピサ高等師範に伊国政府給費留学生として滞在していた筆者は
講演を依頼され,”One attempt to the K3 modular function”の表題で,
将来,K3曲面族に対しての保型関数が研究されるべきであることを提起し,
一例として,1883年のPicardの2変数モジュラー関数の論文が,
そのような立場から見ることができ,その詳細な研究が,
この提起に応える突破口となることを,まだ駆け出しだった筆者は
おずおずと提案した.
これがK3モジュラー関数の嚆矢であった.