https://wired.jp/article/a-grand-unified-theory-of-math-just-got-a-little-bit-closer-fermats-last-theorem/
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Science
2025.11.28
数学界の「大統一理論」完成に一歩近づく証明を発表
4人の数学者がフェルマーの最終定理に通じるアイデアを発展させ、数学における統一理論の構築に向けて大きな前進を遂げた。
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予想を覆した4人の数学者
鏡の向こう側
架け橋を見つける
意外な助け

予想を覆した4人の数学者
楕円曲線とモジュラー形式の対応関係を証明するだけでも、極めて困難な課題だった。多くの研究者は、それよりも複雑な対応関係を確立することなど不可能だろうと考えていた。

だが、4人の数学者チームがその予想を覆した。2025年2月、彼らはモジュラリティのつながりを、楕円曲線からさらに複雑な方程式である「アーベル曲面」へと拡張することに成功したのだ。シカゴ大学のフランク・カレガリ、インペリアル・カレッジ・ロンドンのジョージ・ボクサーとトビー・ジー、フランス国立科学研究センターのヴァンサン・ピロニからなるこの研究チームは、ある主要なクラスに属するすべてのアーベル曲面が、常にモジュラー形式と対応づけられることを証明した。

意外な助け
2020年、数論学者のリュウ・パンがモジュラー形式に関係するある証明を発表した。当初、それは4人の研究には関係がないように思えた。しかしすぐに、パンの編み出した手法が自分たちの目指すものと驚くほど深く関連していることがわかった。「まったく予想していないことでした」とパンは振り返る。

4人は数年間にわたって主にZoomで定期的に会議を重ね、パンの手法を応用して研究を進めていった。しかし、いくつか大きな障害は残っていた。そこで23年夏、ボクサー、ジー、ピロニはドイツ・ボンで開かれるカンファレンスを絶好の機会と捉え、そこで直接顔を合わせることにした。

4人が開いたこの新たな扉は、いずれテイラーとワイルズの成果に匹敵するほどの力をもち、誰も想像しなかったほどにアーベル曲面の謎を解き明かすかもしれない。もっとも、まずは今回の結果を非通常型のアーベル曲面へ拡張する必要がある。チームはパンと協力しながらこの探究を続けている。「10年後にはほとんどすべてを見つけているはずですよ」とジーは語った。

この研究によって、数学者たちは新たな予想を立てられるようにもなった。楕円曲線に関するバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想の、アーベル曲面を扱う類似系がその一例だ。「少なくともいまでは、その類似系が通常型アーベル曲面に関して意味をもちうることがわかりました。以前はそれすらわかっていませんでしたから」と、マサチューセッツ工科大学の数学者アンドリュー・サザーランドは言う。

「かつて夢見るしかなかった多くのことが、この定理のおかげで手の届くところまで来ています」と彼は続けた。「ここから状況は変わっていくでしょう」

※本記事は、サイモンズ財団が運営する『Quanta Magazine』(編集については同財団から独立)から許可を得て、転載されたオリジナルストーリーである。同財団は、数学および物理・生命科学の研究開発と動向を取り上げることによって、科学に対する一般の理解を深めることを使命としている。